以下は、先日、ある企業である経験豊かなネイティブスピーカーの中国語レッスンを見学する機会があり、その時に感じたことなどについて報告したものです。
日本で中国語を学ぶ方には参考になると思うので、ご紹介します。
○○さま、山岡です。
いつもお世話になっています。
昨日は話を聞いてくださってありがとうございました。
早速ですが、昨日、中間休みでトイレに立ったのですが、その時に、受講者さまが次のようにおっしゃっていました。
「今の先生の方がいいな、必要なことを教えてくれる。前の若い先生よりいい。」
「そうやな。」
「でも、前の先生があるから今の授業がわかるということもあるな。」
この方たちは私がトイレにいることをご存じでした。
タバコを吸っておられたのですが、故意に私の耳に入るようにされたのかどうかわかりませんがご報告します。
また、トイレである方から中国語の発音について質問を受けました。
もっとも発音のしにくい、中国人ネイティブスピーカーからの説明ではわかりにくい「e」の発音についてでした。
以上を踏まえて、現在のT先生のレッスンの仕方や、今後、対応された方がよいと思われることについて私見を申し上げます。
1.今回のT先生のレッスンについて。
独自教材を使用し、受講者たちが必要な中国語に絞り、レッスンはトレーニングだと位置づけ、レッスン中できるだけ受講者に発話させる。
とても素晴らしいレッスンです。
これなら受講者の満足は得られるでしょう。
特に、ビジネスマンが中国語など外国語を習得しようとする場合には、
・必要とする言葉。
に特化し、それを集中して練習し、短い時間で実戦で使用できる外国語を身につけるようにカリキュラムする必要があります。
今回は、くしくも前の講師がテキストに沿って文法事項を説明していく。という実践ではなく中国語語学学習に反発された受講者への対応ということで、経験豊かなT先生の教え方と相まって受講者に満足されたと思います。
ただ、私の私見ですが、T先生のレッスンは、確かに今の日本では一流なのですが、その内容は対象が中国に留学に来ている外国人、あるいは、仕事をせずに中国語学習を専門にしている人にとっては効果があるでしょうが、日本で、しかも仕事をしながら。ということになると効果はあまりあがりません。
これはT先生ご自身もおっしゃっています。
「この方たちは家に帰ると忘れちゃう。」
これがT先生。というよりネイティブスピーカーの限界だと思います。
どうしてネイティブスピーカーの限界なのか?
それは、ネイティブスピーカーは日本語を母国語としている者がどのように学習すれば中国語を身につけることができるか、発音についてはどのように発音すると中国語の発音ができるか、また、効果的に短期間で中国語を身につけるのにはどうしたらいいか、というような色んなコツやノウハウについて知る由もありません。
ネイティブスピーカーは、レッスン方法の上手下手が多少はありますが、基本的には「教える」存在ではなく「スピーカー」にすぎません。
ですから、ある日本人の中国語を研究している教授(荒川先生)は、中国語講師について次のように言っています。
経験豊かな日本人の先生に細かな説明を受け、ネイティブスピーカーである中国人に発音をチェックしてもらうのが理想。
とはいえ、今の日本では、特に中国語についてはまだまだネイティブスピーカー信仰は根強いのですが、英語の世界ではかなり前から、英語はネイティブスピーカーに教えてもらうより日本人講師に効果的な方法や具体的なやり方を聞く方が効率的。ということになっています。
ご参考までに、最近、私が注目している英語講師をご紹介します。
・本城式EQ英会話スクール
ここは日本人講師に習うからこそ、3ヶ月で話すことができるようになると謳っていますし実績もあげているようです。
大きな声、そして、必要な単語から、というのはこの本城氏の主張です。
発音についても日本語を母国語とする人がどのようにすると、どのように理解すると英語の発音を発することができるようになるかについて細かく説明されています。
・Sally先生のバイリンガル英会話学習法
このSally先生は最近本を出されたので、是非、読んでいただきたいのですが、要するに、英会話ができるようになる。と言っても、ネイティブスピーカーと同じようになることが目標ではなく、
本当に大切なのは「日本語がわからない相手にも自分の言いたいことを伝えたい」「相手の意図を理解したい」というハート。
だといいます。
つまり、言語能力だけではなくコミュニケーションを高めるような英語教育が必要だといいます。
Sally先生の英語はインターネットで聞くことができます。
決してネイティブスピーカーのような発音ではありませんが、しっかりとコミュニケーションをとることのできる英語です。
中国語も目標をしっかりと決め、必要な中国語を最短時間で習得し、それをもってコミュニケーション能力を磨く。
そんなカリキュラムが必要だと思います。
以上に加え、理想的な語学学習方法として以下をご紹介します。
これは以前、初めて岩佐さまとお会いした時にご紹介した、立命館大学教授:陰山氏が短期間で英語をマスターしたという英会話スクールです。
・バイリンガルFM
日本で外国語を習得する。
これにはある一定の条件があります。
1)経験豊かな日本人講師、あるいは日本人がその外国語を習得することについてのメソッドを持ったスクールで学ぶこと。
→ネイティブスピーカーでは留学生向けのレッスンになるので、ビジネスマンには適しません。
2)必要なものから習得する。
ビジネスマンが外国語を習得するには、限られた時間を有効に使う必要があります。
中国に留学にいったような留学生なら午前中のレッスンが終了したあとも、周りは中国語の環境。
必要であればいくらでも自学できますが、日本にいるビジネスマンではそうはいきません。
今回のように漢語会話301句を一からただまんべんだらりと説明する(決して教えるというものではありません)のでは興味を持たないのは当たり前です。
ここは受講者が必要な単語や文法に絞って短期集中的にトレーニングすべきです。
3)レッスン以外の時間を活用。
本来ならT先生のレッスンはすばらしいトレーニングです。
でも、それが功を奏さないのはここが日本だから。
中国なら、そして相手が学生や、時間のたっぷりある定年退職者ならレッスン以外の時間に自学することも可能ですが、それがないと、ただ、一週間に一回のレッスン時間のみなら、いくら優れた講師でも、教えることには限りがあり、また、レッスンに多くの時間をかけるので、実践中国語は身につきません。
それならどうするか?
これは、バイリンガルFMの方法が今のところ一番効果的だと思います。
先ず、日本語で自分の言いたいことをまとめる(1分間スピーチ、3分間スピーチ)。
それを自然な外国語にする。
それをiPodに録音し、レッスン以外の時間、できるだけそれを聞き、暗記・暗誦して次週のレッスンで発音を修正したりする。
それがある程度流暢に話せるようになったら次の内容に行く。
レッスンでは覚えたスピーチについて色んな質問をし、会話の瞬発力を磨く。
今、私が採用しているのは以下のテキストです。
・口を鍛える中国語作文「初級編」国際語学社
これを一週間分、日本語を抜き、間隔を狭くした添付ファイルのような音声教材をメールで添付し、それをとことん聞いてもらう。
そして次のレッスンで、それを発話していただき、発音の問題点を修正し、文法事項の確認。
それが終わって最終的には、日本語を聞いてそれを瞬間に中国語に訳す。
というレッスンをしています。
外国語をある程度自由に扱うためには、短文を大量に覚え、また単語を覚え、必要に応じて覚えた短文の単語を差し換えて使うことでコミュニケーションを行います。
つまり「中国人の中国語を使う」。
これにつきます。
後はどうやったら効果的にトレーニングできるかということです。
また、発音もそうですが、中国語は日本語の知識が使えます。
例えば看護婦さんの看という中国語は中国語でも「カン」。
こういうような日本人だからわかる中国語学習を加速させる知識を使って学ぶことでより効果的な学習効果を上げることができます。
以上、ほとんど私見となりましたが、何か参考になったらうれしいです。
PS:増幅法について
英語学習方法では古くから貢献されている中津燎子先生が作られた未来英語塾を是非ご参照ください。
・中津燎子の英語未来塾
残念ながらこの春に中津先生は亡くなられましたが、日本で外国語学習に携わる者としては是非、知って置いていただきたいと思います。
増幅法は未来塾で採用されている方法です。
英語の発音をオーバーにより強くすることで、受講者は問題がはっきりすることになり、また、必要な筋力トレーニングができるようになっています。
実際、私のレッスンでは腹筋を多用するので、レッスンは運動のようなものです。
以上、何かのお役に立てればと思う、ご報告しました。